商業高校から進学ってできる?
”商業高校は就職のための高校です„
私(男)が商業高校に入学するまで、このように商業高校=就職というイメージがありました。ごく一部の生徒がスポーツ推薦で大学進学したり、また一部の生徒が専門学校に進学したりと。
このブログを読んでいただいている皆さんにもそんなイメージがあるのではないでしょうか。私もそうでしたし、実際に以前の商業高校のイメージからすると事務などの就職を思い浮かべると思います。
商業高校では、資格を取得して就職に活かす。このようにして就職していくというのはもちろん今も昔もあります。また、商業高校が就職しやすいのは資格もありますが、昔から積み上げてきた就職実績による就職先からの信頼を得ているというのは大きなポイントだと思います。
中学校のお子さんがいる方にとっては、普通科の高校や商業高校、工業高校など、様々な選択肢がある中、”進学させたいから普通科” ”卒業後に就職してほしいから女子は商業、男子は工業” なんて進学先を選ぼうとしている方、選んだ方も多いのではないでしょうか。
その考え方は、あながち間違ってはいないと思います。実際に私が通っていた商業高校では女子の比率は高く、男子が居てもほとんどは部活のために高校へ来た生徒が多数でした。たしかに商業女子は就職のイメージがありますよね。
商業高校の進学率は?
以前は多数の生徒が就職していた商業高校ですが、現在ではほとんどの商業高校で半数近くの生徒が進学しており、就職する生徒も減ってきています。
もちろん高校によってはまだまだ就職が主流であったり、進学がかなりを占めてきているところもあると思います。私が通っていた高校では進学の生徒が7割程度で就職はわずかでした。
進学を目指す生徒が増えてきた理由としては、商業高校だからこそ普通科の高校に比べ部活動に力を入れていることが多く、部活での実績を活かして進学できることや、在学中に取得できる商業や英語の資格を活かして進学できることが増えてきたこと。また、大学側の推薦制度の増加も影響しています。もともとスポーツ推薦での進学を目指して商業高校を選ぶ生徒や、指定校推薦制度を狙って商業高校を選ぶ生徒が増えていることが考えられます。
私の周りにも部活動で全国レベルの実力を持つ生徒や、進学を目指して資格を取得している生徒もいました。
商業高校からどうやって進学する?
みなさんの中にも疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。まず商業高校から共通テスト(旧センター試験)といった一般受験方式で大学を受験することはほぼないです。
ではどうやって進学するのか。
答えは、先程も申し上げましたが、総合型選抜(旧AO入試)や指定校推薦などの推薦制度での進学がほとんどです。しかし、推薦利用の進学のため、どこでも目指せるとは限りません。そのため目指したい進学先がある場合は、商業高校のホームページから過去の進学実績は必ず見ておきましょう。
実際に2019年度入試では、全大学の99.1%が推薦入試を実施しており、一般受験以外の生徒の進学の受け入れが増加しています。
商業高校の生徒が進学を目指す場合に推薦制度を利用する条件としては
- 評定平均
- 資格(簿記)
- 資格(英語)
の3つの順に推薦条件として課されていることが多いです。
評定平均ですが、”3年間頑張るのは難しい”といった意見がある方もいらっしゃると思いますが、ほとんどの商業高校で勉強に受験生並みに本気で取り組んでいる生徒はごくわずかです(頑張っている方には申し訳ないです)。部活に専念している生徒はもちろん、テスト前でも遊んでいたりという生徒も意外といます。そのため、日頃から復習を少しでも行い、定期テストでは誘惑に負けず、しっかり対策していけば成績は必然的に良くなります。評定平均は指定校推薦では一番重要になってきます。
資格は、簿記であれば、日商簿記2級や全商簿記1級というのが進学に必要となってくる2つでしょう。基本的にいずれか1つを持っていれば、指定校推薦で困ることはないと思います。しかし、総合型選抜であれば、MARCHレベルを目指すにはかなり難しいと思います。評定が悪くても資格があれば、他の生徒と差別化を図ることができ、指定校で評定が足りなくても、総合型選抜で進学ができるということもあります。
最後に英語ですが、実用英検2級→全商英検1級→実用英検準2級の順で重要になってきます。英語の資格は指定校、総合型選抜どちらでも必要となってくることもあるため、英語は進学後もかなり大事になってきますし、在学中に取れるとかなり良いと思います。
まとめ
今回は元商業高校生から、”商業高校から進学はできるのか”といったことについて書かせていただきました。
私自身も商業高校から推薦制度を利用して、大学へ進学することができました。
たとえ一般受験なら手の届かないような大学でも、商業高校で取得した資格を活かせば手が届くということも全然あります。
また、普通科に比べて、学部や進学先が絞られてしまうというのはありますが、勉強にも縛られない自由な時間を過ごすことができ、文武両道を実現することができるのではないでしょうか。
”青春を、ぜひ商業高校で”